昭和52年6月6日に当院は開院しましたので、今年で創立35年目の節目の年を迎えます。奇しくも私も昭和52年3月に大学を卒業して、5月に国家試験に合格し、6月から医者の卵として第一歩を踏み出しました。
駆け出しの頃は、日常の診療でもまだドイツ語が使われていました。その頃の学んだ知識と、現在第一線で行っている治療とは隔世の感があります。常識と思われていたことが非常識になり、逆に非常識が実は正解ということさえも経験してきました。
21世紀もすでに11年が過ぎ、我が国はいよいよ少子化時代に突入し、未曾有の超高齢化社会を迎えようとしています。またquality of lifeの向上を求めていくなかで、これからもますます整形外科の需要が増えていくでしょう。このような時代の変遷とともに、整形外科の治療は一歩一歩しかし着実に、そして大きく変わりつつあります。
現在、整形外科の手術は大きく2つの流れに向かっているように思います。内視鏡を応用したendoscopic surgeryと、人工関節や骨切りなどのmajor surgery です。内視鏡を用いた手術は関節外科のみならず、脊椎外科にも導入されていますし、またmajor surgeryでも低侵襲の手術が取り入れられて、手術創を小さく、軟部組織のダメージを減らしかつ早期の社会復帰を目指す方向へと進みつつあります。
当院では数年前から再開発事業に着手し、第一期として新築棟(東館)が完成し、続いて第二期工事として既存棟(本館)の全面的なリニューアルを行ってきましたが、昨年3月末で終了しました。これで病院の総床面積が1.5倍になり、患者さまへ最新の医療空間およびamenityの良い快適な医療環境を提供できているものと考えています。さらに建物のハードの面だけではなく、各部署にバランスよく設備投資を行い、効率よくスピーディな最先端の医療が行えていると確信しております。特に新築棟の2階に病院の中核部門である手術室を移設し、手術機器・麻酔・医療情報などを日々進歩する整形外科手術に対応するために、30年先の将来を考えてすべて最先端の設備投資を行いました。
しかしこれからの30年後には想像もできないような治療が行われている可能性があると思います。おそらく遺伝子を応用した医学が導入されているでしょう。これに対して決して現状に甘んずることなく、常に前を向き、時代を先取りしていく気持ちを強く持っていく覚悟であります。
これからも35才になった福岡整形外科病院をよろしくお願いします。