へバーデン結節とは 

ヘバーデン結節の症状

指の第1関節(DIP関節:一番指先の関節)の背側にできる骨変形による膨らみのことを指し、この病気を1802年に報告した英国の医師William Heberden博士の名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれています。

この病気は関節の表面を覆う軟骨の老化や摩耗によって起こる変性疾患(変形性関節症)であり、母指の付け根(CM関節)におこるCM関節症や第2関節(PIP関節:指の真ん中の関節)におこるブシャール結節なども同様の手の変形性関節症です。

原因

正確な原因は不明ですが、40歳以上の女性に多く発症します。成因としては加齢や指先の過度の使用などで起こるのではないかと言われています。また、ヘバーデン結節は中高年の女性に多く発症することから、背景に女性ホルモンの変調やストレスが多くかかる環境や、ストレスを受けやすい体質なども関係しているようです。遺伝性は証明されていませんが、母娘、姉妹間では高率に認められています。

症状

症状は人さし指から小指にかけてのDIP関節が赤く腫れたり、指が曲がったまま伸ばしにくくなったりするのが主な症状で、痛みを伴うこともあります。またDIP関節の背側に水ぶくれのようになること(ミューカスシスト:粘液腫)もあります。

  • ① 指先に力が入りにくい(容器のふたが開けられない、つまむことが出来ない、など)
  • ② 強く握るとDIP関節が痛む
  • ③ DIP関節の動き(屈伸:特に伸ばす方)が悪い
  • ④ DIP関節が腫れている
  • ⑤ DIP関節が変形している

こうした症状が診られる場合は、ヘバーデン結節の可能性があります。

へバーデン結節 症状 強く握れなくなる
へバーデン結節 症状 動きが悪くなる
へバーデン結節 症状 水ぶくれ(ミューカシスト)

診断と検査

へバーデン結節の診断は、視診、触診などの理学所見(診察)とX線による画像診断で行われます。症状の項で示しましたように、DIP関節の腫れや熱感、変形、動き(屈伸)が悪い、痛みの有無を診察することのほか、X線では、関節の隙間(骨と骨との間)が狭くなったり、関節が壊れたり、骨のとげ(骨棘と言います)が突出するなどの、いわゆる変形性関節症の所見があれば、へバーデン結節と診断されます。

治療法

へバーデン結節の治療

へバーデン結節の治療は、安静と対症療法(保存的治療)が中心となります。腫れや熱感があれば患部を冷やしたり、軽くマッサージを行ったり、テーピングや装具などにより関節の安静を保つことで痛みを軽減させることはできます。また痛みが強い場合は消炎鎮痛剤を飲んだり、外用剤(シップや塗り薬)を使ったりすることも行います。

へバーデン結節はさきほども述べましたように、多少個人差はあるものの、数ヶ月~数年のうちに痛みは落ち着くことが多いので、手術にいたる患者さまは多くはありません。しかし変形が進行して痛みが消えなかったり、日常生活に支障を来したりした場合は手術を行うこともあります。

手術法としては、痛んだDIP関節を最も使いやすい位置で固定してしまう方法(関節固定術)や出っ張った骨棘やのう胞を切除することでDIP関節を動きやすくする方法(関節形成術)が一般的に行われています。

進行してしまった変形性関節症には、特に膝関節や股関節などの下肢関節に対して人工関節置換術が一般的に行われております。手指に関しても最近になり開発されつつあるようですが、まだ一般的ではないようです。

最後に

へバーデン結節は、外来診療において中高年女性に比較的よく見られる病気であり、日常生活の支障、痛みとともに関節リウマチではないかと心配して来られる患者さまが多いです。病院を受診していただき、症状の診察やX線検査、血液検査などを行うことで、その心配を解消することが出来ます。最近、指の痛みや変形で悩んでいるといった方は是非一度ご相談下さい。

文:松田 秀策