扁平足 開張足とは

長く立っていたり、歩き過ぎたりすると、土踏まずやふくらはぎ、太もも辺りに、痛み・疲労感が出てきてはいませんか。また、足の横幅が大きくなって今までの靴では狭くなり、母趾(足の親指)・小趾(足の小指)に痛みが出てきてはいませんか。

それらは、扁平足(へんぺいそく)、開張足(かいちょうそく)による症状かもしれません。

原因・分類

扁平足の原因はいろいろありますが、分類すると、先天性・外傷性・炎症性・麻痺(まひ)性・静力学性があります。先天性には、先天性垂直距骨(せんてんせいすいちょくきょこつ)、足根骨癒合症(そっこんこつゆごうしょう)があり、それらは非常に希ですが、手術も含めて治療を要します 。

外傷性というのはもちろん怪我によりアーチが減少することで、炎症性には関節リウマチなどがあります。麻痺性は、脳卒中などに伴う筋力低下によるものです。静力学性というものは、体重をかけてないときは、アーチが保たれているのですが、体重をかけることでアーチがなくなるものを言います。

90%以上は静力学的扁平足といわれ、体重をかけることよって、それを支えるための靭帯や筋肉が弱くなっているためにアーチがなくなり、症状を出すものです。さらに静力学的扁平足を年齢によって、小児期、思春期、成人期の三期に分類します。小児期には転びやすい、歩行が異常、下肢痛などが主な症状です。

柔らかい扁平足と硬い扁平足があり、前者はほとんど治療を要しませんが、後者は先天性垂直距骨などがあり、治療を要します。思春期には、運動、長時間の立位をとることで、足の内側に痛み、周囲の筋のスパスムス(一種の痙攣のようなもの)をおこし、痙直性(けいちょくせい)扁平足を起こすと言われています(ほとんどみたことはありません)。

運動などの負荷が多いことが主な原因ですので、手術ではなく保存療法が主ですが、足根骨癒合症がみつかることもあります。

治療

小児期扁平足は、成長に伴って、筋肉・靭帯が強化されると自然に治っていくことがほとんどで、治療を必要とすることは稀です。砂地や芝生の上を裸足で遊ばせたり、縄跳び運動などが、勧められます。

思春期扁平足は足根骨癒合症や、有痛性外脛骨が見つかることもありますが、その場合には手術が必要なこともあります。それ以外の大多数の患者さんは、きちんと土踏まずのある靴の使用、縦アーチをつけたアーチサポートの使用、アーチを支えるための筋肉を強化する運動が中心になります。ほとんど土踏まずのない靴や、先細りの靴は決してよいものではありません。

成人期扁平足も同様で、数は少ないのですが、変形性足関節症や、後脛骨筋機能不全症がある程度以上進むと、足関節固定術などの手術を必要とする場合があります。