プラトー骨折とは

脛骨プラトー骨折の ”プラトー(plateau)” とは英語で「高原」を意味していて、すねの骨である脛骨の関節面をあたかも高地に広がった平原に見立てた専門用語です。若い人では交通事故や高所からの転落などの大きな外力で骨折し、またお年寄りでは普通に転んだだけの小さな外力で「プラトー」が折れて陥没したり、段差を生じたりします。

なぜこの部位が「プラトー」と呼ばれて特別扱いされているかといえば、膝の関節で体重をうける部分であり、うまく治療できないと体重を支えることや、膝をスムーズに動かすことが難しくなるからです。

症状

交通事故や転落など激しい怪我の後に下肢に痛みがあり動けない場合は、明らかに異常はわかりますから割愛しましょう。転倒などで脛骨プラトーが骨折すると、膝の痛みに加えて通常は歩けなくなります。しだいに膝の関節に出血がたまり、動かすことも難しくなります。この時点で皆さまは病院を受診するはずです。

検査

病院では必ずレントゲン写真を撮ります。骨折を見つけるために、また骨折の状態を把握するために複数枚の写真を撮ります。少し痛いかもしれませんが、頑張ってください。さらにCT検査をすることが一般的です。

CTを撮ることで、より詳細に立体的に骨折部を理解することができます。また骨折だけではなく関節内の軟骨や靱帯なども一緒にケガをしている場合があり、これはレントゲンやCTではわかりません。そうするとMRI検査も必要となります。

レントゲンでは骨折線が見えない骨折(不顕性骨折といいます)もMRIではバッチリわかります。

CTとは・・・コンピューター断層装置、X線を使用
MRIとは・・・磁気共鳴装置、磁力を使用、縦切りや斜めなど自由な角度で撮影可能

手術治療

プレートによる内固定

プレートと呼ぶ金属の「板」とスクリューで内固定する方法です。一般的に皮膚をある程度切開し、関節を開けて陥没や段差を治して、プレートで固定します。ズレがない場合は、小さな切開からプレートを皮膚の下に滑り込ませて使用することもあります。

関節鏡視下手術

今までは関節切開をして手術を行うのが標準術式でした。しかし一部の骨折型では膝の内視鏡である関節鏡を使って、関節を切らずに手術することが可能になりました。

そのおかげで皮膚切開も小さく手術侵襲は小さくなり、従来はプレートが必要であった場合でも、スクリューで十分強い固定ができるようになりました。術後の痛みは少なくなり、術翌日より膝を動かすリハビリを開始することができ、早い症例では術後数日で120度以上を曲がるようになります。

当院では全国に先駆け1990年代よりプラトー骨折に対する関節鏡視下手術に取り組み、その良好な成績を全国学会や国際学会に発表しています。